旧ソ連時代の要塞監獄の廃墟に潜入!エストニア・タリンの「パタレイ刑務所博物館」が凄い (全3ページ)

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エストニア タリン

今度はまた階段を上がって三階へ。どうやら囚人が拘束されていたのはこのフロアになる。鉄格子の扉が幾重にも重なり、物理的に脱出を不可能にしている。

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監房の一つ一つに覗き窓の付いた頑丈な鉄扉が設置されていていかにも刑務所らしい作りとなっている。刑務所の年季の古さを壁から剥がれ落ちた塗装の複雑な模様が物語っている。

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細長い部屋の中に十台以上も二段ベッドが並べられた雑居房。その奥に仕切りのないトイレがあり、鉄格子が挟まった窓だけが明かり取りになっている。ここでの生活環境を想像するだけでも、とても尋常ではないものだ。人権という言葉とは無縁の空間。

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ここに囚えられていたのは、一般的な犯罪の受刑者だけではなかったのだろう。体制に逆らった政治犯なんかも入れられていたに違いない。

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さらには囚人の私物と思しき革靴まで放置されている。

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そんな雑居房の壁一面には随分かっちょいいフレスコ画が描かれている。当時の囚人が勝手に書いたものなのか、廃墟化した後に侵入したアーティストが描いたのかは不明。無駄にクオリティが高い。

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違う雑居房に入ると囚人が使っていたであろう布団が二段ベッドの上に敷かれたままになっている光景まで見られる。

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狭い独居房も複数あり、それらの部屋の壁には囚人の趣味なのか何なのか知らんが雑誌から切り抜いたものと思しき俳優や映画の宣伝やその他の広告がベタベタ張られていて無機質な空間を彩っていた。

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よっぽど映画好きだったらしい囚人の部屋。比較的最近の映画なんかもあるが、ここが閉鎖されたのが2004年なので、やはりそれ以前のものになる。

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壁一面にガラスタイルが仕込まれたイカすデザインの部屋まである。刑務所時代からのものだろうか。

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部屋の中に入ると壁の落書きがこれまた不気味です。

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三階の半分はアートスペースとして使われているようで、時折この一室でアート系イベントが開催されたりするようです。まあ、どんな使われ方をしようが不気味なもんは不気味なまんまですけどね。

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監房とは反対側の廊下を奥まで進むと一番突き当りにあるのが図書室として使われていた部屋。頭上の人物イラストは何なんでしょうかよく分かりませんが目つきだけが妙に美少年的で笑える。

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この図書室、囚人達も使えていたんでしょうかね。相変わらず廃墟状態で放置プレイのまま説明書きも無くよく分からないのだが、本棚の大部分が空っぽになっている。

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しかしよく見ると本棚には部分的に古びた書籍が放置されていた。どれもロシア語で書かれた本である。これも旧ソ連時代の残骸なのか…

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監房が立ち並ぶ三階の廊下から向かいの建物への渡り廊下が続いている。厳密には向かいの建物まで渡れず、その途中から枝分かれする「ある部分」に立ち入る事ができる。

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その「ある部分」とはこれ、中庭の監視用通路である。まさか刑務所見学でこんな所まで自由に立ち入り可能とはどうなっているのか。凄くないすか?通路の床板はところどころ壊れかかっていて、踏み抜いて落下しないだろうかやや恐怖を感じる。

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通路の両側には網状に配された鉄格子が天井の役目を果たし、その下には囚人の運動スペースがいくつも壁を隔てて並んでいる。上から囚人の様子をつぶさに観察できる訳である。

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監視用通路とは別に一段高い場所にある監視台に上がる為の鉄製の階段があり、ここも立ち入り可能。梯子のように急角度で、踏みしろも狭く昇り降りが地味に怖い。

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監視台からの景色はこの通り。ある意味これ以上ない「絶景」ですね…パタレイ刑務所内、あまりに見られる場所が多いので我々は回りきれなかったが、中には「処刑室」(Hanging Room)まであるので行く機会があれば是非探して見つけて欲しい。

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なお、中庭の囚人用運動場は建物の外から中庭の通路内を回ると入る事ができる。

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各囚人用運動場に繋がる廊下も外側からは鉄扉で隔離されているので容易に脱出する事ができない。閉鎖から10年間放置されているせいで廊下にも雑草が伸び放題である。

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囚人用運動場。六畳間くらいのスペースしかなく、この中でのみ囚人は運動を行う事ができた。

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我々は小一時間刑務所内をうろついてあちこち見物してきたが、正直時間不足でまだまだ見足りなかった。世界中探してもここまで刑務所の中身が見られるような場所は珍しいので、もしエストニアに訪れる事があれば是非寄って欲しい。


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DEEP案内シリーズ管理人。2009年から海外各地を訪問し始め、現在の訪問国は25ヶ国。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。