香港にある「銀座」のショッピングセンターには「日比谷」と「有楽町」があって寿司屋は「板橋」な件

香港

香港の郊外「新界」にある元朗区という所に立ち寄った。香港の中心市街地からはかなり離れていて九龍半島の付け根、つまり中国本土に近い位置にある。あんまり観光目的で外国人が立ち寄るような事もなさげなエリアなのだが、気になってしょうがなかった場所があったので行く事にしたのだ。MTR西鉄線の天水圍駅から軽便鉄道の路面電車に乗り換えていきます。なお、電車は「友愛」行きです。

路面電車にしばらく揺れながら、とある駅で降りてみた。そこは周りを見ても高層マンションだらけのいかにも香港の郊外的なベッドタウンとなっているだけなのだが、注目すべきはその駅名。

ここは「銀座」(Ginza)。そう、銀座駅なのである。スペルもあの東京にある銀座と全く同じ。偶然か意図的なのか知らんが路面電車のラインカラーも東京メトロ銀座線と同じオレンジ色である。まさか東京の銀座をそっくりそのまま香港に作ってしまったというのだろうか。コピー文化の旺盛な中華パワーは侮れない。果たしてこの街はどうなっているのか…

そんな香港の「銀座駅」の真ん前にはいかにもなシャレオツ系ショッピングセンターの建物がデーンとそびえている。もしかするとこのビルの中にまるごと東京の銀座がコピーされているのかも知れない。行くしかないですね。はい。

だがいざ街に繰り出すと東京の銀座というよりもウインズ新橋あたりに居るような暇そうなオッサン軍団がしゃべくりまくっている光景を目にする訳だ。近隣住民の皆様なのでしょうか、よく分かりませんが香港の人たちは意味もなく集まって道端で会話するのが好きなようです。

香港の銀座駅は2003年に開業したもののようで、周囲のマンションやこのショッピングセンターも割に新しい所を見ると、ここ十数年の間に相次いで出来たものと思われる。香港返還以降増え続ける中国本土からの出稼ぎ労働者もいるせいか年間数万人単位で人口が増加している香港の事情が反映されているのだろうか。このショッピングセンターも、エントランスからしてかなり立派である。1999年に完成したものらしい。

銀座駅の名前の由来はこの「嘉湖銀座」(Kingswood Ginza)というショッピングセンターにあるそうだ。銀座という名称は日本国内でもあちこち商店街の名前に取り入れられているが、まさか海外にまで使われるとはね。路面電車の銀座駅も、日本の読みでそのまま「Ginza」となっている駅は香港中探してもここだけらしい。

そしてこのショッピングセンター、内部が2つのエリアに大きく分けられているのだが、片方のエリアは「日比谷」とまたしても東京の地名がそのまんま使われているという状態。まあ中に入れば普通なんですがね。マクドナルドとかがあって、地元のリア充ファミリーが集まってという感じの。漢字では日比谷だけど英語では「Cine Valley」になってました。

んで、もう一つが「有楽町」(Amazing Lane)だと。なんだか楽しそうなイメージの派手なネオンサインが中華感を盛り立ててくれるのである。将来拡張して「新宿」とか「渋谷」とかが増えていくような動きは…今のところ無いようです。

日比谷と有楽町の間には「銀座廣場」(Ginza Square)もありましてよ。なお嘉湖銀座にはハーバープラザリゾートシティ(嘉湖海逸酒店)という5つ星高級ホテルも併設されていて、かなりハイソサエティな感じの場所に仕上がっておりました。香港の中では割といい子ちゃんエリアな地区なんでしょうかね。また、ショッピングセンターの前は「天水圍公園」が広がっていて、狭い香港の中ではかなり開放感を感じられるエリアとなっております。

しかも何故かこのショッピングセンターの中には「板橋寿司」があるというオチ(笑)なんで寿司屋だけ板橋なのだ。これまでの流れから行くと「築地」じゃないのかよ!

…という訳で、ベタな香港観光に飽きたらちょっとくらいは寄り道してもいいかもと思える香港の「銀座」でした。ハイソ気味だけど現地民の暮らしっぷりも分かるし、なかなか印象に残った。

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