ユムシ、アメフラシ、ヌタウナギ、蚕の蛹…釜山「チャガルチ市場」はゲテモノ・奇食の宝庫だった (全2ページ)

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釜山の街中に「チャガルチ市場」(자갈치시장)がある。東京で市場と言えば築地というように、釜山で市場と言えばチャガルチ市場というほどの場所で、繁華街の目の前にあるし、泊まっていた宿の近くにあったので、何度かここで飯を食う機会があった。

韓国 釜山 チャガルチ

朝鮮半島の南端に位置し、海を挟んだ向こうに対馬と日本列島がある、日本から最も近い外国、韓国・釜山広域市…この街に数日滞在する機会を得た我々は、韓国最大の海産物市場として名を馳せるチャガルチ市場で韓国でしか恐らく食べられないであろう変わった食い物にありつく為に朝昼晩とうろつき回っていた訳だ。

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そんなチャガルチ市場なんですが、2006年に現在のガラス張りの地上7階建て、地下2階建ての近代的な巨大ビルディングに建て替えられ、もはや先進国の市場ですよとアピールしまくっている。でかい箱物のせいで味気がなくなった感もあるのだが、市場自体が広大過ぎるので別に物足りなくも何ともない。

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しかし市場の建物の前にわけのわからんモニュメントがいっぱいあって、地味に笑いを誘うのである。のっけから地球儀を掲げた両腕が地面から生えているし、韓国人のセンスは極端だ…

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なぜか調理される側であるはずのフグくんが調理する側の格好をしているという謎の逆転現象もあり、相変わらず意味不明ですが、とりあえず市場の中に入ってみたいと思います。

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釜山に来た事がない人間でもチャガルチ市場の名前くらいは耳にした事があるだろうという程のメジャーな市場で、言うまでもなく韓国屈指の海産物市場な訳ですが、一階部分はひたすら魚屋だらけで活気に満ち溢れております。

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置いてある海産物も、日本で食われているものと若干違っている事もあるけど、まあだいたい一緒。タコとナマコとホヤがやたら多いのが特徴。釜山の人々は見た目にアレなものがお好みなのでしょうか。

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しかし日本で見かけないものと言ったらコイツだろう…和名では「ユムシ」という名の無脊椎動物、蠕虫(つまりミミズとかの仲間)の一種である。その独特の形状から韓国では「ケブル」(개불)…犬のちんちんと呼ばれている気味の悪い生物だ。今回はコイツを食べにやって来た。

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チャガルチ市場では買った魚介類を二階の食堂で調理してもらって食べる事ができる。那覇の観光地「第一牧志公設市場」と同じ要領だ。ついでにコイツも頂いてみようか、ザルの奥側に置いてあるやつ…アメフラシですかね…

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早速ユムシとアメフラシが売られている魚屋のアジュンマに交渉だ。毒味のつもりでアメフラシとユムシを2つだけ出してもらった。「全部で11000ウォンニダ!」強気の価格設定。さすが観光地価格といった所でしょうか。高いよと言ったが「高くないニダ!」と押し切られてしまった。大阪のオバハン並みに強引である。

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そのままアジュンマと一緒に二階に上がってテーブル席でお食事タイム。あの気持ち悪いミミズみたいなのが細切りにされてやってきました。踊り食いという状態ではないのでビジュアル的に寂しいが、新鮮なのは違いない…

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恐る恐るさしみ醤油にわさびを溶かしてユムシを付けて食ってみる…食感コリコリ、少し甘味があり、じゅわっと口に広がる海の香り…
これは旨い!
見た目で損してるけど、フツーに貝の一種ですと言われて食っても気づかないぞ。

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そしてもう一つ、同じように細切りにされてやってきたアメフラシ…こちらの方はというと、食感はくたびれたスポンジのようで、ほろ苦さが際立ちあまり万人好みの味とは言えない。アメフラシはそのままだと紫色の気持ち悪い液体をビュービュー出すので、一旦乾燥させて干物にしてから調理する。なので、どうにも冴えない食感になってしまうようだ。

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ちなみにユムシは日本では北海道の一部地域で「ルッツ」と呼ばれ食用にされているくらいで殆どが釣餌として販売されているものばかりで、アメフラシは島根県隠岐諸島で一部食されているというが、そんなに積極的に食用にしていないらしい。美味しくないですよね、アメフラシさん…

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チャガルチ市場二階の食堂は観光客も多く訪れる場所ではあるが、地元の常連客や店員がだらーんと過ごしている光景も見られて、なんとも緩い雰囲気に満ちている。店員のアジュンマは暇そうに食い物の横でヘアーブラシで髪の毛整えてるし、食品衛生的にもケンチャナヨな感じです。

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しかし食堂コーナーのだだっ広さに反して客はあんまりおらず、建物の片側からガラス越しに見える釜山港の景色が情緒をそそる。なお、ここでも「調理代金」を8000ウォン取られたので結構な出費だった。折りしも円安だから日本円で2000円ちょい。まあ、観光地価格ですね。

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